韓国旅行に行ったとき、「グーグルマップが全然使えない!」と驚いた方は多いのではないでしょうか。
実際、韓国は世界でも珍しく、グーグルマップが十分に機能しない国の一つです。
私は渡韓歴12年以上、現在も韓国在住4年目ですが、日本から遊びに来た友人達から「地図アプリが不便で困った」という声を何度も耳にしてきました。
では、なぜ韓国ではグーグルマップが使えないのか?そして旅行者はどう対応すればよいのか?最新ニュースも踏まえ、詳しく解説します。
この記事のポイント
- 韓国でグーグルマップが使えない理由(なぜ?)
- 最新の規制緩和ニュースと今後の展望
- 旅行者におすすめの代わりの地図アプリ(Naver・Kakao)
韓国でグーグルマップは使えない?旅行者が最初に知るべきこと

ソウルの地下鉄の様子:筆者撮影
- 韓国旅行中にグーグルマップが不便な理由
- 「地図は見られるけどナビが使えない」のが実情
韓国旅行中にグーグルマップが不便な理由

ソウル地下鉄マップ
結論から言うと、韓国旅行ではグーグルマップを単独で頼りにすることはできません。最大の理由は、韓国政府による地図データの厳しい規制です。国家安全保障上の観点から、詳細な地図データを国外に持ち出すことが法律で禁止されており、グーグルは地図サーバーを韓国国内に設置していないため、正確なナビゲーションが認められていません。
この規制により、徒歩や車での経路検索は「経路なし」と表示されることが多く、駅から観光地までの道案内や路地の詳細確認が難しくなります。さらに、公共交通の検索精度も低いため、地下鉄やバスの乗換案内が不十分で、移動に不安を感じる旅行者が多いのが現状です。
「地図は見られるけどナビが使えない」のが実情
グーグルマップで可能なのは、店舗情報の閲覧や口コミ確認、ランドマークの位置把握といった限定的な利用にとどまります。観光地や飲食店の検索は便利ですが、実際に目的地までの徒歩ナビや車ルート案内は利用できません。
旅行者が最初に知っておくべきポイントは以下の通りです。
- グーグルマップは「地図閲覧・口コミ検索」には使える
- 徒歩・車・公共交通のナビはほぼ機能しない
- 正確な経路案内にはNaver MapやKakao Mapが必須
つまり、韓国旅行ではグーグルマップを補助的に活用し、移動には現地アプリを組み合わせることが欠かせません。
韓国でグーグルマップが使えない理由(なぜ?)
- 国家安全保障上の規制(地図データの国外持ち出し禁止)
- グーグルと韓国政府の対立の歴史
- 世界的にも珍しい「制限国」のひとつ
国家安全保障上の規制(地図データの国外持ち出し禁止)
韓国でグーグルマップが使えない最大の要因は国家安全保障上の規制です。韓国政府は北朝鮮との緊張関係や国内インフラ・軍事施設の保護を理由に、地図データの国外持ち出しを法律で禁止しています。
グーグルは韓国国内に地図サーバーを設置していないため、精密な地図データを国外に送信することができません。その結果、以下のような制限が生じています。
- 徒歩や車のナビゲーション機能が利用できない
- 公共交通機関の乗換案内の精度が極めて低い
- 軍事施設や発電所などは表示を制限、もしくはぼかし処理されている
韓国政府は過去に「国内にサーバーを置けば許可する」と提案しましたが、グーグルは自社ポリシー上これを受け入れていません。
グーグルと韓国政府の対立の歴史
グーグルと韓国政府の対立は2007年頃から始まりました。グーグルは数度にわたり「地図データの国外持ち出し許可」を申請しましたが、韓国政府は安全保障を理由にすべて却下しています。
韓国側は「機密施設をぼかす」「解像度を下げる」など妥協案を提示しました。しかし、グーグルは「ユーザーに最新かつ完全なサービスを提供する」という方針を堅持し、制限付きのサービスを提供することを拒否しました。このため交渉は長期化し、現在も制約が続いています。
その結果、韓国国内ではNAVERマップやKakaoマップといったローカル企業が地図サービスを独占し、旅行者や在住者は必然的にそれらを利用する状況となりました。
世界的にも珍しい「制限国」のひとつ
グーグルマップが本格的に利用できない国は非常に限られています。代表的な例としては韓国、ロシア、中国が挙げられます。これらの国々では、地図データの国外持ち出しや閲覧に厳しい制限を課しており、安全保障上の例外的な扱いを受けています。
つまり、韓国でグーグルマップが「見られるが使えない」状況は、世界的に見ても数少ない事例です。観光客にとっては不便に感じられるかもしれませんが、その背景には地政学的リスクと長年の規制の積み重ねがあります。
最新ニュース|グーグルマップ利用制限は今後どうなる?
2025年9月にグーグルと韓国政府の間で「衛星画像ぼかし」に関する合意が成立し、長年続いてきた利用制限に小さな変化が生まれました。しかし、すぐに完全解禁というわけではなく、主要機能の多くは依然として制限対象となっています。
2025年9月の「衛星画像ぼかし」合意とは
2025年9月9日、グーグルは韓国政府の安全保障上の要請を受け入れ、国内の軍事施設や保安上重要なエリアについて衛星画像に「ぼかし処理」を施すことを決定しました。加えて、特定エリアの座標データを非表示にする仕組みを導入することで、韓国側の懸念に応えています。
この合意により、約20年近く続いてきた全面的な制限から部分的な緩和へ向かう姿勢が初めて示された点が大きな意味を持ちます。観光客や在住外国人にとっても、利便性向上への期待が少しずつ高まっています。
制限が解消される可能性と今後の展望
韓国政府は2025年11月に、グーグルマップの高精度地図データの取り扱いについて新たに議論する協議体を設ける予定です。この場で具体的な運用ルールが決まれば、韓国国内で利用できる機能がさらに広がる可能性があります。
ただし、規制の方向性は以下のように整理できます。
- 衛星画像は一部利用可能になる見込み
- 重要施設周辺は引き続き「ぼかし」「座標非表示」が適用
- 車や徒歩のナビゲーションは依然として制限対象
- 韓国企業の地図アプリ(NAVER、Kakao)の独占状況はすぐには変わらない
今後の展開次第では利便性は改善するものの、国内アプリを完全に置き換える水準には至らない可能性が高いです。
当面は「完全に使える」わけではない点に注意
衛星画像に関する合意があったとはいえ、旅行や日常生活で便利な以下の主要機能はまだ利用できません。
- 車や徒歩ルートのナビゲーション
- バスや地下鉄などの公共交通案内
- 高精度な地図データを用いたリアルタイム経路検索
観光や生活の場面では引き続きNAVERマップやKakaoマップの利用が欠かせない状況です。(各アプリは後半にて紹介します。)
合意によって一歩前進したものの、「すべての機能が解禁された」と誤解すると不便さを感じる可能性があります。
結論として、韓国でのグーグルマップは2025年9月時点で限定的に改善が進みつつあるものの、全面解放までは時間がかかる見込みです。旅行や出張の際には、最新ニュースをチェックしつつ、現地アプリとの併用が不可欠といえるでしょう。
韓国旅行でグーグルマップが不便になる具体的なケース
韓国旅行でグーグルマップを利用すると徒歩・公共交通・車のナビゲーション機能が十分に使えず、観光や移動の際に大きな不便を感じやすい状況があります。国家安全保障上の規制によって詳細な地図データが制限されているため、韓国国内で快適に移動するにはNAVERマップやKakaoマップといった現地アプリを活用することが必須です。
徒歩ナビが動作しない
韓国ではグーグルマップの徒歩ルート案内が正しく機能しません。表示されるルートが曖昧であったり、細い路地や地下通路が反映されなかったりするため、観光客は初めて訪れるエリアで迷いやすくなります。特にソウルのように地下道や複雑な交差点が多い都市では、歩行者用の詳細データ不足が顕著です。その結果、徒歩ナビとしては信頼性に欠けると言えます。
バスや地下鉄の乗換案内ができない
公共交通の乗換案内も正確さに欠けます。駅名の表示や路線案内が不十分で、目的地までの最適ルートが示されにくい傾向があります。たとえば、地下鉄の出口番号が案内されなかったり、地方都市のバス情報が抜け落ちていたりするため、乗換時に混乱しやすいのです。韓国の公共交通は日本と同様に複雑であり、観光客にとっては現地アプリの利用が欠かせません。
車ルートも正確ではない
自動車でのルート検索も十分ではありません。主要道路は表示されますが、地方の細い道や新しい道路は反映されず、交通状況のリアルタイム情報も不足しています。そのため、レンタカーを利用した地方観光ではナビゲーションとして頼りにくい状況です。さらに、タクシーを利用する際にグーグルマップの住所を提示しても運転手が場所を特定できないことがあり、移動に時間がかかる場合もあります。
まとめると、韓国におけるグーグルマップは以下のような制限が目立ちます。
- 徒歩ナビ:細い道や地下通路のデータ不足で不正確
- 公共交通:バスや地下鉄の乗換案内が不完全
- 車ルート:地方道路や最新交通情報が反映されにくい
韓国での旅行や出張では、こうした不便を避けるためにNAVERマップやKakaoマップの活用が不可欠です。
韓国でグーグルマップの代わりに使える地図アプリ(ダウンロード可)
韓国旅行ではグーグルマップ単体では移動に不便なため、NAVER Map、Kakao Map、T-mapの3つの地図アプリを併用すると快適です。それぞれ特徴が異なるため、旅行スタイルや目的に合わせて使い分けると移動がスムーズになります。
Naver Map|韓国人の利用率No.1
NAVER Mapは韓国国内で最も利用者数が多い地図アプリです。
- 室内地図も詳細で、空港や地下ショッピングモールでも迷わず移動可能
- 日本語対応があり、初めての訪韓者でも使いやすい
- ハングル表記で検索するとより正確な結果が得られる
観光客にとって、徒歩ルートや公共交通の検索ができるため、韓国旅行では最も万能なアプリの一つです。
Kakao Map|UIが分かりやすく観光客にも人気
Kakao Mapは操作画面が直感的で、韓国語に慣れていなくても比較的使いやすいアプリです。
- バスや地下鉄の乗換案内が正確
- 飲食店やショップのレビューが豊富で観光情報としても便利
- 日本語対応は限定的で、基本的には韓国語表記
初めて韓国を訪れる旅行者にとって、視覚的に分かりやすく、公共交通を中心に移動する場合に特に適しています。
T-map|車移動に強いナビアプリ
T-mapは車移動に特化したナビアプリで、韓国国内のスマホナビ利用者の約7割が利用しています。
- 道案内が迅速かつ正確で、タクシーやレンタカー利用に強い
- 高速道路や地方都市の道路情報も詳細
- 韓国語表記のみで、外国人には使いにくい面がある
車移動を主体とする旅行では、T-mapを活用することで目的地までの到着精度が高まります。
まとめると、旅行者は次のように使い分けると便利です。
- 徒歩・公共交通中心、初心者向け:NAVER Map
- バス利用や操作の分かりやすさ重視:Kakao Map
- 車移動主体で正確なナビが必要:T-map
韓国旅行では、グーグルマップの補完としてこれら3つのアプリを併用すると、移動ストレスを大幅に軽減できます。
Naver MapとKakao Mapの比較|旅行者におすすめはどっち?
韓国旅行で初めて地図アプリを使う場合、Naver Mapをまず利用するのが安心です。日本語対応や操作性、公共交通ナビの精度が高く、韓国語が苦手な旅行者でもストレスなく活用できます。一方、韓国語に慣れている人やリピーターであれば、Kakao Mapも便利な選択肢です。
日本語・英語対応のしやすさ
- Naver Map:日本語や英語への切り替えが可能で、検索や設定も簡単
- Kakao Map:基本は韓国語主体で、日本語対応は限定的。英語表記はあるが詳細情報は韓国語
韓国語に不慣れな旅行者にとって、操作や目的地検索のしやすさは大きな利点となります。
徒歩・公共交通ナビの精度
- Naver Map:徒歩ルートやバス・地下鉄乗換案内の精度が非常に高く、細かい路地や地下道情報も豊富
- Kakao Map:バスや地下鉄の乗換案内も利用可能。精度は高いが韓国語操作に慣れが必要
両アプリとも韓国の公共交通データを網羅しており、徒歩や公共交通のナビとして十分に信頼できます。
観光客が選ぶなら「まずはNaver」が安心
初めての韓国旅行者や韓国語が苦手な人には、次の理由でNaver Mapがおすすめです。
- 日本語対応で操作しやすい
- UIが直感的で迷いにくい
- 細かい地図情報や屋内地図も充実
Kakao Mapは韓国語操作に慣れている旅行者や、現地の最新情報や口コミを重視する人に向いています。両方を旅行前にダウンロードし、状況に応じて使い分けると、より快適な移動が可能です。
まとめると、操作のしやすさやナビ精度を重視する場合はNaver Mapが安心です。韓国語に慣れたリピーターや現地情報を重視する場合はKakao Mapを併用すると効率的に観光できます。
韓国で地図アプリを使うときの注意点
韓国で地図アプリを快適に使うには、正しい地名検索・安定した通信環境・タクシー利用時の画面提示の3点が重要です。これを意識することで、移動のストレスを大幅に軽減できます。
韓国語・英語での地名検索のコツ
- 韓国語での検索が最も正確:Naver Mapは日本語・英語対応がありますが、Kakao Mapは韓国語入力が基本
- コピー&ペースト活用:Googleマップやネットで目的地の韓国語表記を調べ、検索バーにコピーすると効率的
- 主要観光地や駅名の韓国語を覚えておく:特にKakao Map利用時は、正確な地名入力がスムーズな検索につながる
オフライン利用はほぼ不可 → eSIMやWi-Fiが必須
韓国の地図アプリはオンライン接続が前提です。オフラインではルート検索や地図表示ができず、徒歩や公共交通の移動に支障が出ます。
そのため、旅行前に韓国用のeSIMを準備するか、空港・宿泊先でWi-Fi環境を確保することが必須です。
タクシー利用時にアプリを見せると便利
韓国のタクシーは住所や道名だけだと目的地が伝わりにくい場合があります。
- アプリ画面を運転手に見せる:目的地のピンを表示するだけで、細い路地や地下道の利用もスムーズ
- 移動トラブルを防止:画面提示により、タクシー利用時の迷いや誤乗車を防げる
まとめると、韓国で地図アプリを快適に活用するには、韓国語地名の準備・安定したネット接続・タクシー利用時の画面提示がポイントです。これらを押さえることで、観光や移動中に迷わずスムーズな旅行が可能となります。
まとめ|韓国でグーグルマップは使えない?代わりのアプリで快適な旅を【初心者向けチェックリスト】
韓国ではGoogleマップの精密なナビ機能が制限されています。徒歩ナビ・公共交通・車ルートの精度が低いため、代替アプリを使った準備が必須です。旅行初心者でも迷わず快適に観光できるよう、チェックリスト形式でまとめました。
✅ 韓国旅行前に確認したいポイント
地図アプリの準備
- Naver Map:日本語対応で初めての旅行者も安心
- Kakao Map:直感的UIでバス・観光情報が便利
- T-map:車移動主体なら正確なナビとして活用
韓国語・英語での地名確認
- 目的地の韓国語表記をメモまたはコピー
- カカオマップ使用時は韓国語で検索必須
ネット環境の確保
- eSIMやWi-Fi必須(韓国eSIMおすすめ5選|3日間プランを徹底比較&安く使う方法も紹介:記事末にて韓国に特化した2日間~5日間や電話番号付き、クーポンなど条件別にeSIMを探せます)
タクシー利用時の活用法
- アプリ画面で目的地を提示すると迷わずスムーズ
- 細い路地や地下道も画面で示すと安心
🔹 旅行準備のおすすめアクション
- 代替アプリをダウンロードして操作を確認
- 韓国語表記の地名リストをスマホに保存
- eSIMまたはWi-Fiルーターを事前購入・レンタル
- 移動時はアプリ画面を活用してタクシーやレンタカーをスムーズに
🌟 宿泊予約も同時に準備で安心旅行
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