2025年10月4日、自民党の第29代総裁に高市早苗さんが選出されました。日本初の女性総裁、そして日本初の女性首相就任が目前という歴史的瞬間に、韓国社会も強い関心を寄せています。
韓国メディアでは「女性版安倍」「極右的な政治家」として報じられ、歓迎よりも警戒のムードが広がっています。韓国在住4年目で、韓国人の妻を持つ筆者が、現地メディアやSNSの反応をもとに、韓国の本音と知られざる韓国と高市早苗さんの関係性を解説します。
- 韓国メディアが報じた高市早苗総裁誕生の反応
- 韓国ネットユーザーの評価と世論の傾向
- 高市早苗と韓国の関係性(過去の関係・発言)
- 日韓関係への影響と今後の展望
高市早苗総裁誕生に対して韓国の反応の結論|「期待より警戒」が多数派
韓国社会では、高市早苗さんの総裁就任を「歴史的だが、日韓関係は冷える」と受け止める声が多く見られます。韓国主要紙の見出しには「極右的な女性指導者誕生」「安倍路線の継承者」という表現が並び、友好的な論調はほとんど見当たりません。
韓国メディアやSNSでは、以下のような意見が多く見られます。
- 「韓国に対して強硬な政策をとるだろう」
- 「初の女性首相は素晴らしいが、外交は冷え込む」
- 「日本政治の保守化がさらに進む」
つまり韓国では、高市早苗さんを「日本政治の象徴的保守リーダー」と見なしつつ、日韓関係の悪化を懸念する声が圧倒的に多いのが実情です。
韓国メディアの報道内容|「女性初の首相」より「右派色」に注目
韓国の主要メディア(中央日報、朝鮮日報、ハンギョレ新聞など)は、高市早苗さんが日本初の女性総理候補である点を評価しつつも、「保守強硬派」「安倍晋三の政治理念を継承」と報じています。
- 中央日報:「靖国神社を参拝し続ける政治家」として紹介
- 朝鮮日報:「過去の歴史問題に妥協しない人物」との分析を掲載
- ハンギョレ新聞:「女性リーダーの誕生は歓迎だが、日韓関係には冷たい風が吹く」と論評
韓国の放送局KBSやSBSでもニュース番組で連日報道されており、「韓国政府は冷静な対応を取るべきだ」という専門家のコメントが相次ぎました。
韓国ネット上の声|「女性リーダー誕生は歓迎、しかし外交には不安」
韓国のSNS(X・NAVER・Daum)では、政治的関心の高い層を中心に高市早苗さんに対する議論が活発です。特に「安倍路線継承」「靖国参拝」「対韓強硬」などのキーワードがトレンド入りしました。
- 「日本の女性リーダー誕生は尊敬できる」
- 「保守的でも筋を通す政治家だと思う」
- 「慰安婦や徴用工問題では冷酷な対応をしそう」
- 「韓国との関係を改善する意思は見えない」
韓国社会では女性政治家への関心が高く、「信念を持つ女性リーダー」として一定の評価を受ける一方、外交面では「厳しい相手」として見られている点が特徴です。
高市早苗と韓国との関係|発言・政策・過去のスタンス
高市早苗さんは政治キャリアの中で、韓国に関する複数の発言をしてきました。特に注目されるのは「慰安婦合意」や「徴用工問題」に対する一貫した姿勢です。
高市早苗さんは「国家間で結ばれた合意は最終的かつ不可逆的なもの」と明言し、再交渉や譲歩には慎重な立場を取っています。
また、安全保障政策においては「韓国との連携は重要だが、国家防衛の主軸は日米同盟」と発言しており、韓国依存を避ける現実的スタンスを持っています。これにより、韓国メディアでは「対韓協調よりも対米重視」との分析が目立ちます。
高市早苗さんと韓国の関係を理解するうえで、過去の主な行動を整理すると次の通りです。
年 | 主な発言・行動 | 韓国側の反応 |
2013年 | 靖国神社を参拝 | 韓国メディアが「歴史修正主義者」と批判 |
2015年 | 慰安婦合意の再交渉に反対 | 「韓国への配慮を欠く」と報道 |
2021年 | 総裁選で「安倍路線の継承」を表明 | 「女性版安倍」との見出しが拡散 |
2025年 | 総裁選勝利、日本初の女性総裁誕生 | 「極右政治家の登場」と警戒報道 |
韓国政府・専門家の見解|「未来志向」を掲げつつも慎重姿勢
韓国大統領府は公式コメントとして「未来志向の日韓関係を継続する」と発表しましたが、実際には警戒を隠せない状況です。外交当局者の間では「安倍元首相に近い人物が首相となれば、対話の余地が狭まる」との懸念が共有されています。
一方、韓国の経済界や一部の専門家は「政治的には厳しくても、経済協力は維持される」との見方を示しています。特に半導体・観光・エネルギー分野では、日韓が相互依存関係にあり、政権交代による経済断絶は起こりにくいと分析されています。
筆者の現地観察と周囲の反応|韓国社会は報道ほど反日一色ではない
韓国在住4年目の筆者の実感として、ニュース報道と一般市民の意識には温度差があります。ニュースでは「高市早苗=極右」というラベルが強調されますが、実際に韓国の人々と話すと、「政治は政治、生活は生活」と分けて考える人が多いのが現実です。
たとえば日本製の家電は、性能がいいと言って韓国では人気ですし、寿司が好きな人も多いです。また、J-POPも日韓合同歌番組やK-POPアイドルや俳優たちが歌うことで広まり、最近とても人気が高まっています。
つまり、高市早苗さんに対する報道上の警戒感と、生活者レベルの感情は必ずしも一致していません。
ですが、韓国で子育てをしながら痛感し苦労しているからこそ言えますが、韓国では反日教育が今でも当たり前のように沁みついています。
今回の高市早苗さんの総裁就任に対しても、メディアの影響をかなり受けやすい体質があります。SNSが発展している現在でも、言語の壁もあり、特に日本の政治家についての情報は韓国メディアからというのがメインになってしまうからです。
分かりやすく言うと、『日本製品や日本食、J-POPは好きだし、日本へ旅行もするが、高市早苗はあまり好きじゃない』というのが一般市民の感覚です。
まとめ|高市早苗総裁誕生で日韓関係はどう動くか
- 韓国の反応の要点
- 日韓関係の今後の見通し
韓国の反応の要点
- 韓国メディアは「極右」「女性版安倍」として警戒報道
- ネット上では「強い女性リーダー」として一定の評価も
- 韓国政府は公式には「未来志向」と述べつつも慎重な対応
日韓関係の今後の見通し
- 短期的には関係が冷え込む可能性が高い
- 経済や安全保障分野では現実的協力が継続
- 感情的対立よりも戦略的距離を保つ関係に移行
高市早苗総裁の誕生は、日本政治における転換点であると同時に、韓国にとっても重要な外交の試金石となります。韓国社会は報道上は警戒を強めつつも、実際には冷静に状況を見極めようとしています。日韓双方が感情的ではなく、現実的な外交を進められるかが今後の鍵となるでしょう。
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