2014年、大韓航空のファーストクラスで提供された「マカダミアナッツ」をめぐって起きた前代未聞の騒動――それが「ナッツリターン事件」です。
客室乗務員への不適切な対応と、離陸直前のリターン命令は韓国社会に大きな衝撃を与え、当時副社長のチョ・ヒョナ氏は、「ナッツ姫」と揶揄されるようになりました。
あれから10年近くが経ち、事件の当事者であるチョ・ヒョナ氏は現在どうしているのでしょうか?また、妹の「水かけ姫」騒動や、財閥一族としての動向、離婚などプライベートの変化も話題になっています。
本記事では、事件の経緯からその後、そして現在のナッツ姫の姿までを詳しく解説します。
記事のポイント
- ナッツ姫(チョ・ヒョナ)の事件後~現在までの転落人生
- 「ナッツリターン事件」の経緯と韓国社会への影響
- 妹の「水かけ姫」事件とは
「ナッツ姫」のその後と現在は?

画像元:Yahoo!ニュース
大韓航空の「ナッツリターン事件」で有名になった元副社長、通称「ナッツ姫」(本名:趙顕娥〈チョ・ヒョナ〉氏)は、事件後の人生が大きく変わりました。以下に主なその後の状況をまとめました。
有罪判決
大韓航空のナッツリターン事件でのチョ・ヒョナ元副社長(ナッツ姫)は、複数の罪で有罪判決を受けています。
- 2017年12月に暴行罪、強要罪、業務妨害罪の3つで有罪判決が下され、懲役10か月・執行猶予2年の判決が言い渡されました。
- 航路変更罪については最高裁で無罪とされましたが、その他の刑事罪についての有罪判決は確定しています。
- 2018年には被害者に対する損害賠償も命じられています。
つまり、暴行や業務妨害などの罪で刑事罰を受けているため「有罪判決」となっていますが、一部の罪で無罪判決も出ているという状況です。
改名と離婚
趙顕娥(チョ・ヒョナ)氏は、2022年12月に裁判所の判決で離婚が成立しています。
そして2023年7月には「チョ・スンヨン」に改名しました。世間に名前が広く知れ渡り、精神的な区切りをつけるためと言われています。
会社・財閥での立場
ナッツリターン事件後に韓進グループの子会社のKALKホテルネットワークの登記役員として社長の身分で経営復帰したが、2018年4月に解任。
もともと韓進グループ創業者の娘であり大韓航空の副社長でしたが、事件をきっかけに権力闘争に敗北し、一族経営から外れています。
姉弟間の経営権争いに敗れ、現在は財閥の経営に関与していません。
事件後は表舞台に姿を現しておらず、実質的に社会的な影響力や地位は失っています。
ナッツ姫の現在|高級マンション差し押さえと経済的困難
趙顕娥(チョ・ヒョナ)氏は現在、財閥令嬢としての華やかな立場を失い、経済的にも厳しい状況に置かれています。ソウル市内の高級マンションは国税滞納により4度差し押さえを受け、強制競売にかけられました。
差し押さえの詳細
- 物件:ソウルの高級マンション「ローデンハウス」
- 規模:約245㎡、5部屋・3浴室
- 購入時期:2020年
- 購入価格:約4億7,400万円
- 競売価格(推定):約5億円
財産問題の背景
趙顕娥(チョ・ヒョナ)氏が経済的に困窮した理由は以下の通りです。
- 父・趙亮鎬(チョ・ヤンホ)の死去に伴い、約60億円の相続税が発生
- 韓進グループ内での経営権争いに敗北し、役職を失った
- 地位と収入源を失った結果、国税を支払えず滞納に至った
現在、ローデンハウスは江南の人気物件として高値で売れるとされますが、ナッツ姫が自由に処分できる状況ではありません。財閥令嬢としての象徴だった住居が差し押さえられた事実は、彼女の現在の姿を象徴しています。
総合的な現在の状況
「ナッツリターン事件」から10年以上経過しましたが、彼女自身は大きな社会的注目から離れ、表舞台から消えています。
家族の中でも彼女を含むチョ一族の影響力は大幅に弱まっており、経営も一族中心ではなくなったため、以前のような財閥としての権力はほぼ失われています。
公的に見ると、事件は韓国社会に財閥の傲慢さを象徴するものとして話題になりましたが、ナッツ姫こと趙顕娥(チョ・ヒョナ)氏の現在は地位も財産も無く、転落した人生といえるのではないでしょうか。
「水かけ姫」事件とは?
「水かけ姫」事件とは、大韓航空元副社長のチョ・ヒョナ氏(ナッツ姫)の妹で大韓航空専務を務めていたチョ・ヒョンミン氏に関わるパワハラ騒動のことです。
「水かけ姫」事件の概要
2018年にチョ・ヒョンミン専務が大韓航空の広告会社との会議中、広告会社の担当者に激怒し、水の入ったコップを投げつけるという行動をとりました。
これがメディアで「水かけ姫」として報じられ、世間で大きな話題となりました。
事件の背景には、業務上のコミュニケーションのトラブルと報道されており、彼女自身も後に軽率な行動だったと謝罪しています。
家族全体の問題
チョ・ヒョンミン氏のパワハラ騒動だけでなく、父親で韓進グループ会長のチョ・ヤンホ氏は株の不正売買疑惑、母親も暴行容疑を受けるなど、家族全体で不祥事が相次いでいます。
ナッツ姫こと姉のチョ・ヒョナ氏も2025年に密輸疑惑が報じられ、家族全体が社会的に厳しい注目を集めています。
これらの一連の事件は、韓国での財閥に対する批判や「財閥叩き」の象徴としてメディアや世論で長く注目されています。
ナッツリターン事件の振り返り(概要)
- 大韓航空で起きた「ナッツ事件」の概要
- ナッツ姫(趙顕娥)とは?プロフィールと一族背景
- 韓国財閥・大韓航空一族との関係性
大韓航空で起きた「ナッツリターン事件」の概要
ナッツリターン事件とは、2014年に大韓航空の機内で起きた財閥令嬢による不適切行動が発端の騒動です。
当時大韓航空副社長の趙顕娥(チョ・ヒョナ)氏がファーストクラスで提供されたマカダミアナッツの提供方法に不満を示し、飛行機を搭乗口にUターンさせ、チーフパーサーを機体から降ろさせたことが問題となりました。
「ナッツリターン事件」振り返り
2014年12月。米・ニューヨーク発 韓国・仁川(インチョン)空港行きのファーストクラスに搭乗していたのは、当時大韓航空の副社長だったチョ・ヒョナ氏(2023年、『チョ・スンヨン』に改名)。機体が滑走路へ向け動き始めた直後、サービスのナッツを袋のまま提供した乗務員に対し、「提供方法が間違っている」と激怒しました。
「おい、おまえ、ひざまずいて(サービス記載部分を)探せって言っているんだよ!サービスマニュアルも知らないのに、連れて行かない!」と、客室乗務員に対し「降りろ」と命令。ところが、実はマニュアルが変更されていて、サービスは間違っていなかったにもかかわらず、ヒョナ氏は離陸間際の飛行機を搭乗口へ引き返させ、チーフパーサーを一人降ろさせました。
この理不尽な行動は韓国国民の怒りを買い、副社長を含む全ての役職から退任させられ、報道陣の前で頭を下げたヒョナ氏。2017年まで続いた裁判では、暴行罪や強要罪などで懲役10年・執行猶予2年の判決を受け、釈放されました。

これは、もうパワハラの極みですね。
事件は瞬く間に韓国国内外で報道され、「ナッツ姫」「ナッツリターン姫」と呼ばれ、財閥家族の特権的態度への批判が集まりました。
ナッツ姫(趙顕娥)とは?プロフィールと一族背景
ナッツ姫こと趙顕娥(チョ・ヒョナ)氏は韓進グループの創業者一族の長女で、大韓航空の副社長に就任していた人物です。
韓国財閥令嬢として幼少期から注目されてきました。教育や留学経験も豊富で、社会的地位の高さは韓国でも広く知られていました。
- 生年月日:1974年10月5日(52歳)
- 出身地:ソウル市江西区
- 元配偶者:朴鐘周
- 両親:李明姫、趙亮鎬
- 学歴:コーネル大学、ソウル芸術高等学校、南カリフォルニア大学
Wikipedia引用
韓国財閥・大韓航空一族との関係性
趙顕娥(チョ・ヒョナ)氏は、父・趙周元(チョ・ジュウォン)会長の長女として、韓進グループおよび大韓航空の経営に関わっていました。
財閥一族としての立場から、社員や下位層に対する特権意識が強いと指摘されることもあり、事件発生時の社会的反響は非常に大きかったです。
まとめ|ナッツリターン事件とナッツ姫の現在
ナッツリターン事件は、財閥一族の特権意識と社会的責任の問題を象徴しています。趙顕娥(チョ・ヒョナ)氏は公の場に戻る一方で、以前のような権限は持たず、過去のイメージは消えていません。
事件は、財閥企業の管理体制や社員教育、社会的責任の重要性を浮き彫りにしました。韓国では規制強化や企業倫理の見直しにもつながっています。
趙顕娥(チョ・ヒョナ)氏の復帰活動や、財閥一族の経営争い、妹との関係などは今後も報道される可能性がありますので、今後もその都度注目されることでしょう。
コメント